『愛と青春キップ』感想

とある豪華客船の上。

今日は、一世を風靡したスター・勅使河原静(剣幸)のショー復帰初日。

リハーサルにもピリピリした空気が流れているが、亨(岩本照)は、リーダーとして優(渡辺翔太)、修一(阿部亮平)ら明日を夢見るバックダンサーをよくまとめている。

いよいよ迎えた本番。チームワークも上がり、音楽も最高潮に盛り上がっているその時、船全体が突然の衝撃に包まれる。

状況もわからないままに、救命ボートに乗って船を脱出、真っ暗な海の中を漂っていると、今度は衝突の余波であろう大波にさらわれる。

流れ着いたのは無人島とおぼしき波打ち際。チームの無事を確認できたものの、いつ来るともわからない救助を待つ日々。

そこで否応なしに向き合わされる、自分…そして生命の危機。

ダンスの力、歌の力、想像力で絶体絶命の困難を乗り越えろ!

爽快ノンストップ・ダンスエンターテイメント!

(公演パンフレットより引用)

 

 

11月18日、渡辺翔太くんにとってたった一度しかない「初外部舞台」が幕を閉じた。

全26公演本当にお疲れ様でした。

だいぶ時間は経ってしまいましたが、今の気持ちを文章に残しておかないときっと未来の自分が後悔すると思うので覚書程度に書かせてください。

 

 

Summer Paradise 2018の興奮冷めやらぬ8月末、突如誌面で解禁された本舞台。

先に解禁されていた深澤くんと佐久間くんの『キャッシュ・オン・デリバリー』のチケ取りが激戦だったことを散々耳にしていたために、最初は倍率に対しての不安ばかり。正直あまり外部舞台に対する実感のないまま気づいたら初日の朝だった。

 

公演前は呑気に買い物するくらいの余裕もあったけど、続々とゲネプロの記事と写真がTwitterに流れてきて、今まで無かった実感が一気に押し寄せてきて…。銀座のど真ん中で卒倒しそうになりながら、なんとか初めての会場に辿り着いた。

会場となるオルタナティブシアターは7階。専用のエレベーターに団体で乗り込んで上がって行く。エレベーターの中で私は10年以上前にディズニーシーのセンター・オブ・ジ・アース*1に絶叫マシンが大の苦手にも関わらず無理矢理乗せられた時の事を思い出していた。このアトラクションもエレベーターに乗って乗り場に向かった記憶がある。このエレベーターが開いたら、もう戻れないんだ…という不安と戦いながら。その時と同じように、エレベーターが開いて、チケットをもぎるのが、客席に入るのが、そして、幕が上がるのが凄く怖くて。正直このまま舞台が始まらなければいいのにとすら思った。そのくらい不安で不安でたまらなかった。

それもこれも、舞台が始まる前から「案件」って言葉を嫌ってほど聞いたし(件についてわたしは深く知らないので言及はしない)、何より前日から始まった『キャッシュ・オン・デリバリー』がめちゃくちゃ好評だったから。絶対に比較されるんだろうなあって、それはもう憂鬱で。

 

時刻は18時、暗転と共に流れ出す音楽。これがなんと2〜3分(!)あって、不安は更に煽られた。劇中歌をメドレー調にしたものだから2回目以降はその場面場面を思い浮かべながら楽しく聞けたものの、初日はそんなこと知る由もなく、不安も相まって地獄とすら感じた。

音楽が終わると、船の出航を知らせる汽笛が鳴り響き、暗闇の中、演者が立ち位置に着くのがうっすら見える。この瞬間が一番緊張した…。客席の緊張は舞台に伝わってしまうから、緊張しちゃいけないと思いつつも我慢できなかった。でもステージにパッと明かりがついて、そこに見えたのは、緊張を一切見せず堂々とした立ち振る舞いと表情で歌い踊るわたなべくん。こんなに胸を張って自信満々にステージに立っているわたなべくん、初めて見たかも。今までがそうじゃなかったということじゃなく、過去と比較して、今までで一番。公演前、ジャニーズの底力見せてやりたいなんて口にしてたけど、口だけじゃなくて形として見せてくれて、その姿がとても誇らしく思えた。私の不安は一瞬にして消え去った。

 

 

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1時間40分という短い公演時間はあっという間に過ぎていって、私の心は高揚感と多幸感に満ち溢れていた。カーテンコールでその気持ちを全力で拍手にぶつける。客席の、色んな人の気持ちが大きな拍手を生んで、わたなべくんは一瞬だけど、でも確かに力強く、グッと拳を握って笑顔でガッツポーズをした。ああ、このガッツポーズにわたなべくんの今までが全て詰まってるんだなって瞬時に思った。

 

ここまで紆余曲折あった。以前、自分の中のキャパシティがいっぱいになってわたなべくんから興味を失っていた話をブログにも書いたけど、

shakeit26.hateblo.jp

正直理由はそれだけじゃない。

 

疲れたからってすぐ手抜いたり、不機嫌丸出しでやる気の無さを感じたり、ぶっちゃけ惰性でジャニーズ続けてるだけなんじゃないかとすら思ってた。だから私もだんだん応援するのが馬鹿らしくなってきてしまって。だけど今年はそんな風に思ったこと、一瞬たりとも無かったんだよね。

上記のブログの通り、私は今年3月25日の横浜アリーナ単独公演からまたわたなべくんの応援を再開したんだけど、先日わたなべくん自身が雑誌のインタビューで、まさにその日を挙げながら「あの日、生まれ変わったのかも」と答えていた。*2

実際、私もそんな気がする。それ以前の彼を真っ向から否定したいわけじゃないけど、わたなべくん変わったなあって、雑誌を読むたびに、更新されるYouTubeを見るたびに、ステージに立つ彼を見るたびに実感する。だからすごく良いタイミングでこの舞台のお話がきたと思うんだ。実際この舞台を観て、新鮮にわたなべくんの変化に驚かされる場面がたくさんあって。

 

まず驚いたのは歌唱力。わたなべくんは元々声量があるし、ある期間からグッと上手くなったとは思っていたけど、でもこんなに舞台映えする歌声だっけ!?って驚いた。素人だから専門的なことはわからないけど、重みがあるというか…聴き手の耳にズシッと入ってくる、とても深みのある歌声。本舞台の歌唱指導に当たっていた今井マサキさんからたくさん吸収できたのかなあ。(…なんて思っていたら11/30発売の「TVガイド Alpha Q」でわたなべくんが、まさに今井マサキさんのご指導について触れていました。ずっと言及してほしかったから嬉しかった…。)

特に、岩本さん、中島早貴さん、菜々香さんと4人で歌う曲「名もなき花」。個人的に劇中歌で一番好き。無人島に辿り着き、絶望の中で希望を見つけようともがいている様を歌った曲。中でも ♪なぜ生きるんだろう なぜもがくんだろう ひとりぼっちで の部分は4人のハモリに震えた。キャストの菜々香さん、シンガーソングライターとしても活動されている方でめちゃくちゃ声量あるし、声も伸びるし、すごくパワフルな歌声なんだけど(あの華奢な身体のどこからそんな声が?)、それにわたなべくんの声の伸びがめちゃくちゃ合う…!ひとりぼっちで、のワンフレーズだけでもチケ代払えるくらい。歌を本業としてる人に劣らない歌声が出せるって並大抵の力じゃできないよね。この舞台を観る前段階で、わたなべくんは歌が上手い!って十分思っていたけど、まだ伸び代があるんだ…!?どこまでいくの!?なーんて、恐怖すら感じるようになったんだ。

 

そしてダンス。一番言いたいのがこれ。ノンストップ・ダンスエンターテイメントと言うだけにとにかく踊るシーンが多い。今まで踊っているわたなべくんを見て「格好いい!」とか「可愛い!」とかいう気持ちはたくさん抱いてきたけど、本作品、特に舞台最後のナンバー「君の未来」を踊っているわたなべくんを見ていると、心の底から楽しくなって、身体が震えて、今すぐ自分も踊り出したくなる…。こんな感情、初めてだった。ダンスの経験は一切ない私がそう思ってしまうくらいに、わたなべくんは楽しそうに、だけど力強く踊るんだ。これは舞台の設定ともリンクしている部分なんだけど、ダンスとかそんなこと言ってられない、助けが来るのか、いつ死ぬかわからない状況でも、ダンスと共に生きてきたから踊りたい、踊るのを止められない、ダンスしてる今が楽しい!そんな気持ちを抑えきれない、幸せに満ちたダンスをわたなべくんは踊っていた。まさに生きるためのダンス

今回の舞台、何度か観せてもらったけど、何度見ても飽きることなく、このダンスを踊るわたなべくんを見て、自分の全身のアドレナリンが放出されているのを毎回毎回感じていた。胸の底から興奮が込み上げてきて、全身に鳥肌が立つ。ここまでの興奮、生きてきてなかなか味わえるレベルじゃない。曲終わりにスタオベしてしまいそうになる気持ちを毎公演グッと抑えてきた。

余談だけど、最後のナンバーは全員が気持ちを込めて踊るからなのか、オルタナティブシアターの公演の時は客席に振動が直に伝わって来たんだよね。それが余計に臨場感を生んで、感情移入しやすい環境を作り出してたんだと思う。

このダンスの素晴らしさばっかりは、言葉だけじゃどうしても伝えられなくて、これがこの記事を投稿するのがこんなに遅くなった理由なんだけど…不可能なのは重々承知だけど、どうにかして君の未来だけでも映像化してもらいたいなぁ。

 

少し脱線するけど、今回出演していた田口恵那さんのダンスもとても印象的だったことはどうしても書いておきたい。彼女は数年前の滝沢歌舞伎やDREAMBOYSでSnow Manと共演していたダンサーさん。ダンサーさんだからこそ、余計にダンスに対する気持ちが大きいんだろうね。無人島に着いて、助かるかわからない不安の中、踊る気分にさえなれなかったけど主演3人のダンスを見てまた踊りたい!ってダンスレッスンに参加するシーン、毎回毎回気持ちの入り方が演技のレベルを超えていた。とても力強く、パワフルに踊るけど、でもどこか悲しくて、そんな悲しさを見せたくない。そんな気持ちが恵那さんのダンスから感じられました。今回の舞台、楽しい気持ちが大きくて私自身あまり泣いたりはしなかったけど、千穐楽を除いて唯一涙がこぼれたのがそのシーンでした。

そんな彼女、「彼らがまだ10代の頃から見てきたから、お話をいただいた時に座長が彼らだってきいてとっても嬉しかった、しかも初の外部だって聞いて驚いた。今彼らと横並びで舞台に立てていることもまだ信じられないけど、3人にとって門出になればいいなって思ってやってきました」って話してくれて(ニュアンスです)胸が熱くなった。

いろんな人に支えられて、わたなべくんは、3人は、そしてSnow Manはここまできたんだなぁ。

 

11月18日、京都劇場にて行われた千穐楽のカーテンコール。どの出演者の方々も、もっと自分の話をすればいいのに、みーんなSnow Man3人のことや、わたしたちSnow Manのファンのことをしきりに話してくださったのがとても印象的。とても暖かい方たちに囲まれて初めての外部舞台を終えることができて、3人は幸せだと思うし、私たちSnow Manファンも幸せです。

 

そしてそのカーテンコール、わたなべくんは何度も「楽しい」という言葉を繰り返してたね。初日からずーーっとわたなべくんのダンスを見て感じてきたことだったから、私の感覚間違ってなかったんだーって素直に嬉しかった。楽しいって気持ち、全身から溢れ出てたもんね。

 

 

もうアイドルとしたら年齢的にもキツくなってくるし、立場は依然ジャニーズJr.。

でも、まだまだわたなべくんの、Snow Manの未来に期待をしてしまうのは、常に新しいものを見せ続けてくれるから。「今までで一番」を常に更新してくれるから。それは「楽しい」だったり、「嬉しい」だったり、時には感動も。だからこそ、ずっと見ていたい、応援したいと思うんだよなあ。

 

渡辺翔太くんを好きになって良かった。

Snow Manを好きになって良かった。

 

そう改めて思える舞台でした。

 

これからも、Snow Manと見るこの風景がどこまでも広がっていきますように。

*1:東京ディズニーリゾート内最速の絶叫マシン

*2:2018年10月15日発売 別冊ジャニーズJr. 『D;J+.』2018